first photo by Ichiro Harada, other photos by Nacasa & Partners Inc.

アクリルに浮かぶさかずき

漆器の一番の魅力である「柔らかくしっとりとした質感」を最大限引き出し、現代素材と組み合わせてみようと思いました。
漆器の柔らかい形・質感を魅力的に見せることを最大のテーマとし、曲面のみで構成されたシンプルな器を、ダイヤモンド刃物によって切削したシャープなアクリルの台座に乗せました。
凍った雪の上に落ちた赤い漆を、凍った雪ごと切り取ったようなイメージから、『氷壇盃 frozen cup』と名付けました。
山中漆器の木地加工の特徴である「ロクロ加工」とアクリルを切削する「旋盤加工」は、どちらも器を回して固定された刃物で削るという点で共通の技術基盤を持っています。400年の伝統の元に培われてきた木地職人と、現代的なアクリル加工職人の技術の競演でもあります。
暑い季節には凍みるほどに冷やしたお酒を、寒い季節には温めたお酒を、盃に触れ、台座を見ながら堪能して頂ける器です。

素材
漆器+アクリル樹脂
用途
価格
(大)14,233円
(小)13,300円
出展等
「漆の設計展」2005.07
販売
アクリ屋ドットコム