アジアのとある島では、小皿に花を活けて家のまわりに祭る習慣があるそうです。自分が生かされていることに対する感謝のしるしとして。そんなちょっとしたことでも私たちの心をなごませてくれる。その効用をデザインしたい、という思いからこのあかりはできました。透明で柔らかい、水が固まったかのようなアクリルという素材。これを贅沢に使って、光を広げる効果のある凹レンズが内部にできるように削りだしています。アクリルのくぼみに張られた水が、風に呼応し、浮かべられた草花が揺らぎ、光の波紋が広がる。水と光というものを媒介として場所を感じる。そんな楽しみ方をしていただければと思います。